人は城、人は石垣、人は堀
先週末、山梨の石和温泉で友人たちとの新年会があったので、ついでに甲府にある武田神社に行ってきました。
もちろんお参りもしたのですが、目的は別・・・この武田神社は、戦国時代の武将武田信玄の居城だったところ。
お城巡りが趣味の私は、参拝者でにぎわう境内から外れたお城の痕跡を散策してきたわけです。
ということで、今日は、武田信玄の残したと言われている「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」という言葉を題材に、ブログを書いてみようと思います。
「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」
この言葉は有名で、しばしば人事マネジメントに関する話で使われることがあります。
信玄の居城は、躑躅ヶ崎館と呼ばれていました。この躑躅ヶ崎館、実際に行ってみても感じたのですが、立派な天守閣と石垣を備えた堅牢な城という感じではありません。もちろん、土塁や堀切と言われる防御態勢は整備されていますが、躑躅ヶ崎館と呼ばれている通り、城というよりはまさに館というのがぴったりなところだったようです。
堅牢で立派な城を築くよりも強い信頼できる家臣による戦う集団を作る
このことが大切であると考えており、それを実践していたのでしょう。
その結果、あの織田信長や徳川家康までもが恐れた戦国最強といわれた武田軍を作りあげたのでしょう。
まさに「組織は人で持つ」ということの良い例だと言えるでしょう。
そして、「人は城」とだけ言っているのではないという点にも注目する必要があると、私は思うのです。
目立ちかっこいい城だけでなく、人は「堀」や「石垣」とも言っているのです。
この意味するところを人材活用という観点から考えてみると、頭が良く優秀なエース級の人材だけでなく、堀や石垣のように守りを固める人材、つまり裏方も必要である。また、石垣には大きな石だけでなく、さまざまな形の石を組み合わせること、隙間を埋める細かい石も必要・・・つまり、縁の下の力持ちも大切だと考えることができるのではないでしょうか。
情けは味方
そして、「人は城、人は石垣、人は堀」に続いている「情けは味方、仇は敵なり」という言葉も大切な示唆を含んでいるといえるでしょう。
情けとは、「かわいそうだから」とか「頑張っているんだから」といったいわゆる情とは異なります。
信頼し、一人の人間として尊重し、大切にすることこう解釈するのが正しいでしょう。
そう解釈していくと、「情けをかければ味方になる」、しかし、権力で抑えつけたり、相手の人格を無視した対応をしていたのでは、家臣は離れ、恨みを持たれ、敵になると考え自分を戒めていたのだと思います。
このことも、今でも立派に通じる考え方ではないでしょうか。
こう考えていくと、この武田信玄の言葉「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」は、人材を活用するには、人材育成と適材適所が大切であるということを教えてくれているといえるでしょう。
ご縁に感謝!
今日も読んで頂きありがとうございました。