【雑感】過重労働の要因

昨日のニュースでたくさん取り上げられていたのでご覧になった方もいらっしゃると思いますが、今年の春闘において、宅配便最大手のヤマト運輸の労働組合が、会社側に宅配便の引き受けを抑制するよう申し入れをしたとのこと。
【参考】NHK NEWS WEB

その背景には、ネット通販の拡大により宅配便の利用が増加し、人手不足による長時間労働が慢性化しているということがあるそうです。
親会社のヤマトホールディングスは、今年1月に人件費高騰などによって利益予想を下方修正していて、宅配便扱い量は過去最高になったけれど、それがそのまま会社の利益に繋がっていないという、少し残念な側面もあるように思います。

私も仕事柄、過重労働対策にかかわることがありますが、過重労働の要因の一つとして、顧客の要求に応えようとするあまりに・・・ということもあったりします。

確かにネット通販などは便利です。地方のお店があまりない地域に住んでいる方や忙しくてなかなか買い物に行くことができない方などにとっては、ネット通販で生活が豊かになっているということもあるでしょう。ただ、最近は、すぐに届くとか時間指定などというサービスが求められ、そうしたサービスが増え、互いに競い合っています。
もちろん、経済活動としては、そのことは当然のことなのだと思います。
しかし、そのことによって、負荷や負担が増えている人たちがいる・・・ということが、今回のヤマト運輸のニュースで明らかになったのではないでしょうか。

利用者や客の立場になると、便利になることはありがたいですし、魅力的です。また、ビジネスということで考えれば、顧客の要求があれば、それに応えることが大切ということも、その通りだと思います。
ですが、行き過ぎたサービスの要求や提供は、ほんとうに必要なことなのでしょうか?そのことによってたいへんな思いをしている人たちがいるのだとすれば・・・少し立ち止まって考えてみることも必要なのではないでしょうか?

私も、過重労働について、あついは健康経営ということについて・・・など、経営者の方などとお話をする機会があります。
そうした中で感じるのは、あえて書きますが、こうした過剰な顧客の要求に対し、「仕方ない」とか「お客様の言うことだから・・・」とあきらめている方と、最初からあきらめるのではなく、無理な要求には、きちんとお客様とお話をし、互いにメリットのあるよう誠意を持った交渉をして、過重労働にならないように取り組んでいる方がいらっしゃいます。

どちらが正しいということではないのですが、後者の経営者の方たちが、顧客からクレームをもらいトラブルになっていたり、売上利益が下がっているというお話はほとんど聞きません。いや、むしろ、社員も元気に働き、顧客から喜ばれていたり、会社としても安定的に成長されていたりすることが多いように感じます。

そういうことも含めて、今回もヤマト運輸のニュース、過重労働削減の一つの示唆になるのではないかと思ったりしました。
私たち消費者も、そのサービスがほんとうに必要なのか、一度考えてみることが大切かもしれないですね。

ご縁に感謝!
今日も読んで頂きありがとうございました。