ムヒカ元大統領の言葉
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昨夜、あるテレビ番組でムヒカ元ウルグアイ大統領のインタビューを見ました。
ムヒカ元大統領というと、「世界で最も貧しい大統領」として有名で、今年の春来日されて話題になった方です。
昨日の番組は、そのムヒカ元大統領に、改めて日本の印象を聞くというものでした。そのインタビューの中で、ムヒカ元大統領は「日本人の仕事に対する責任感や姿勢に感銘を受けた」とおっしゃってました。そして「経営者が自分だけでなく働く従業員のことを考えている」ということも欧米や南米では考えられないというようなお話をされていました。私は、そのお話を聞いて「外国の方から見て日本人の良いところと言ってもらえていることに、私たちはもっと気づくべきだし、自信を持ち大切にすべきなのではないか」と思いました。なぜならば、昨今、グローバル化という言葉のもと、何でも外国のやり方が良くて見習うべきという風潮が強いです。それはそれである角度から見れば、その通りなのだと思うのですが、その結果、「だから日本は弱い」とか「日本はダメ」という感じになるのはどうなのだろうと、以前から少し疑問に感じていたからです。実は、日本には日本だから、日本人だからということで、外国の方から称賛されたり敬意を払われたりすることがたくさんあるのではないでしょうか。そうした伝統というか、文化というか、そうしたものを国際社会で発揮できれば、グローバル化ももっと違った形で進化していくように思ったりします。
で、話をムヒカ元大統領のインタビューに戻すと、インタビューでは「そうした仕事への責任感から日本では社会問題が起きたりしているのですが、それについてどう思われますか」という質問対し、ムヒカ元大統領は次のように回答されていました。
「日本は治安は世界で一番良い国の一つだが、自殺する人が一番多い国です。これは何かおかしい。仕事への責任感は素晴らしいが、それと同じように自分の人生への愛情を持つべきだ。仕事だけでなく、自分の好きなことをする時間を持つべきである」と・・・
ムヒカ元大統領のインタビューはここで終わったのですが、このお話対し、番組の司会者が「それはそうだけれど、現実的に日本では難しい」というような感想を述べられていました。私は、この意見を聞いて、正直少し残念な気分になりました。確かにそうした意見は、ある意味その通りなのだと思うのですが、裏を返せば、日本で働く人・・・特に中高年層の人たちの考え方はこうしたものなのでしょうね・・・。かく言う私も、中高年ですので偉そうに言えない立場なのかもしれませんが・・・
ただ、私も今人事コンサルタントとして職場風土改革や健康経営などに取り組んでいる立場ですので、あえて言わせて頂くと、こうした最初から「難しい」とか「無理」という概念が、長時間労働やメンタルヘルス問題などの改善を妨げていると言えるのだと思います。
私がこれまで労務対応をしていく経験の中で気づき大切にしていたこととして、「仕事も大事だけれど、その前に自分の人生という観点で考えよう」ということがあります。どうしても、仕事や職場のことで悩んだり苦しんだりしている時は、そのことが自分にとってすべてだと思ってしまいます。しかし、冷静に考えれば、仕事や職場の問題で体調を崩したりしても、会社が一生面倒をみてくれるわけではないのです。そう考えれば、まず自分の健康、このことを考えるべきではないでしょうか。健康であれば、何でもできます。ということは、言い換えれば、健康であれば自分の人生を謳歌できるということだと思うのです。
ですので、私としては、ムヒカ元大統領の意見に共感しましたし、確かに難しいけれど、仕事がすべてだけでない生き方を日本のビジネス社会に拡げていければいいなと思いました。私も微力ながら、そうしたことをいろいろな企業で実現していけるお手伝いをしていこうと思います。そして、くじけそうになった時には、ムヒカ元大統領の言葉を思い出したいと思います。
ご縁に感謝!
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