新型コロナウイルスにかかわる労務管理に関する情報①

新型コロナウイルスの感染拡大により、昨日(2020年4月7日)日本で初めてとなる緊急事態宣言が発令されました。
それにより、今後ますます企業活動への影響が懸念されます。

・事業活動の縮小に伴う売上減少
・資金繰りの問題
・従業員の感染予防
・従業員の雇用維持をどう図るか ・・・etc.

考えられることは枚挙にいとまがありません。

3月以降、弊所においても、それに関連したテレワークに関するご相談や労務・安全衛生管理に関するご相談が増えています。
また、4月に入ってからは、助成金に関するご相談も増えてきました。

そこで今回は、ニュースでも話題となっている助成金(雇用調整助成金)について少しお話してみたいと思います。

雇用調整助成金とは、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、従業員の雇用維持を図るために休業手当を支払った場合等に、その費用を助成する制度で、元々あった制度です。
ここで注意しておいて頂きたいのは、この助成金は、あくまでも休業手当等を事業主が従業員に支払った場合に、事業主に対して支給されるものであるということです。労働者本人に支給されるものではないということにご留意ください。

さて、新型コロナウイルス感染症においては、その感染力の強さから、飲食業や旅行関連事業をはじめ様々な業種で事業の縮小を余儀なくされています。
また、学校の休校により会社を休まなければならない労働者も出てきています。
そして、今回の緊急事態宣言により、休業を余儀なくされる会社も出てくることでしょう。

そうした時に、従業員の雇用の維持を図るために活用できるのが、この雇用調整助成金です。
雇用調整助成金の詳細について書いていると長くなるので、ここでは割愛させて頂き、「厚生労働省のガイドブック」を参照して頂くことし、今回の新型コロナウイルス感染症にかかわる雇用調整助成金の特例措置について触れておきたいと思います。
今回の特例措置においては、様々な要件や手続きに関して緩和や撤廃が行われています。その内容については、下記の表にまとめましたのでご確認ください。

なお、本記事に記載する内容は、助成金の受給を保証するものではなく、助成金の支給可否の判断は、労働局によるものであることをあらかじめご承知おきください。

また、雇用調整助成金だけでなく、今回の新型コロナウイルス感染症に伴う雇用・労働にかかわる影響に関しては、前代未聞ともいえるこの状況により、国や自治体の対応も日々変化しており、通常の法律論やこれまでの経験や慣習だけでは判断できない状況が続いています。
最新情報は、厚生労働省のホームページで発信されていますので、何かあればそちらをご確認頂くのが良いかと思います。

最後に、厚生労働省対策本部クラスター対策班に籍を置く和田耕治先生(国際医療福祉大)を中心に産業医の先生方が発信されている「企業向け新型コロナ対策情報」を共有させて頂きます。
ぜひ参考にして頂ければと思います。

【外部リンク】
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議: 「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020 年4月1日)

ヒューマシー人事労務研究所では、新型コロナウイルスに伴う人事労務に関する対応についても相談対応可能です。
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