職場環境を快適にするコミュニケーションの基本とは
キャッチボールの基本は…
コミュニケーションを語るとき、それはキャッチボールに例えられることがよくあります。
最近、職場のコミュニケーションにおいて、このキャッチボールがうまくできていないケースが多くなっていないでしょうか。
私は、子供の頃、近所のソフトボールチームに入っていました。グローブを買ってもらい、喜び勇んで練習に行き、最初に教えてもらったのがキャッチボール。その時にコーチから教わったのは、「相手が取りやすいように、相手の胸に向かって投げろ」ということでした。
そう、キャッチボールは投げるだけじゃなくて、相手がちゃんとボールを捕らなければ、成立しないのです。
だから、ピッチボールでなく、キャッチボール。
投げることではなく、取ることが主、それも相手が受け取りやすいように、投げるほうがきちんと投げる。このことが、重要なのです。
しかし、最近、コミュニケーションにおいて、この基本を忘れ、あるいは知らずに、ボールを相手が捕りにくい、さらには捕れないところに投げっぱなしになっていることが多くなっているように思います。
そして、一方的に受け手が悪いと責めるのです。
これでは、暴投を放っておいて、「捕れないお前が悪い」といっているようなもので、望ましいコミュニケーションは成立しないはずです。
だから、職場のコミュニケーションに問題があるという組織では、コミュニケーションというキャッチボールにおけるその基本を、改めて理解する必要があるのではないかと思うわけです。
コミュニケーションの責任は発信者にある
こうしたキャッチボールがうまくできていないコミュニケーションについて、今やプライベートだけなくビジネスにおいてもコミュニケーションの主流なっているメールという観点で考えてみたいと思います。
私は、コミュニケーションに関する研修を実施する時に、ビジネスにおけるコミュニケーションの基本について「仕事上のコミュニケーションにおいて、言った言わないの問題が起きた場合、その責任は誰にあるか」という問いかけを受講者にし、考えてもらっています。
受講者からは様々な回答が返ってくるのですが、私が伝えるのは、「コミュニケーションにおいて、言った言わないの問題が起きた場合、その責任は、発信者ある」ということです。
どうして発信者に責任があるのかというと、その理由は、「受取手が、メッセージを受け取ったかどうか、そして正しく理解したかどうかを確認できるのは、発信者でないとできないから」ということになります。
繰り返しになりますが、昨今、IT化が進み、コミュニケーションの手段の中心はメールになっています。そうした中、私は、上述した「コミュニケーションの責任は発信者にある」というコミュニケーションの基本が、メールにおいては、機能しなくなっているのではないかという危惧を感じています。
なぜならば、「言った言わない」の問題が起きた時、最近は「メールしたでしょ。見てないの?」で、受取手の責任になることが多いと感じるからです。
そして、受取手は、苦しい立場に立たされ、人間関係にも亀裂が入るという事象は、至る所で起きているのではないでしょうか。
皆さんの職場ではいかがですか?
メールは確かに便利で、私たちの仕事や生活を劇的に効率化してくれたものですが、あくまでもツールの1つでしかない。コミュニケーションをするのは、今も昔も人対人であることは変わらないのです。
だとすれば、コミュニケーションの基本は、変わらないのであり、メールにおいてもその基本を守る必要があるのではないでしょうか。
メールをはじめIT、あるいはIoTは、私たちの仕事においてますます入り込んでくるでしょう。
だからこそ、このことに気づき、きちんとしたルールを持った組織が、生き活きとした職場として良い組織風土を作っていく、ということがあるのではないでしょうか。
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