会社に存在するジンザイの種類とは
ヒト・モノ・カネで大切なのは・・・?
ヒト・モノ・カネ
経営資源にはどういうものがあるか・・・という時に挙げられる代表的なものです。
最近では、これらに情報を入れることも多いようですが、今回は、従来からのヒト・モノ・カネでお話させて頂きます。ご了承ください。
会社や組織を維持し、発展させ、ビジネスを進めていくうえでは、これらの経営資源と言われるものは必ず必要になるものであり、経営においてはどれもとても大事なものです。では、これらの中であえて一番大事なものはどれか・・・と問われたら、貴方はどれを選ぶでしょうか?まず、そのことについてを考えてみたいと思います。
ヒト・モノ・カネ・・・経営資源は何かという話になった時、ほとんどの場合、この順番で話をします。「モノ・ヒト・カネ」「カネ・モノ・ヒト」・・・中にはこういう言い方をする方もいらっしゃるのかもしれませんが、たいていの方が、「ヒト・モノ・カネ」という言い方をされることでしょう。
この言い方の順番・・・単に語呂が言いやすいからという理由もあるのかもしれませんが、現実的に考えた時に、経営資源として重要な順番と一致しているのではないかと思います。
それぞれに経営においての役割があり、どれが欠けても困るものですが、一人親方や自分一人だけの個人事業主のような経営を除き、組織という形を成した会社においては、ヒト(派遣やアウトソーシングも含めて)がいなければ、モノやカネがあっても、事業を進めていくうえですぐに限界がくるでしょう。このように単純に考えても、経営資源においてはヒトが一番大事であると考えられるのではないかと思いますが、ここではもう少し掘り下げて、その理由を考えてみたいと思います。
モノは、出来上がった時、あるいは購入した時が、一番価値が高く、あとは劣化していく。
カネは、1+1=2、10-5=5でしかなく、またそうでなければならないものである。
しかし、ヒトは、誰と誰を組ませるかによって、1+1が3にも5にもなる。また、ヒトとヒトの掛け合わせ方によっては、想像以上の化学変化を起こし1×1=1ではなく(この1×1=1というのも、ちょっとしたミソです)、10にも20にもなるのです。
つまり、計算式以上に化けることがある、あるいは必ず劣化するわけではなく成長する可能性を秘めている。このようにいえる存在なのです。
だから、ヒトの活かし方次第で経営に大きな影響を与えることができるといえるのではないでしょうか・・・そして、これが、経営資源の3つの中で、ヒトが一番大事だと考えられる理由だと言えるでしょう。
しかし、ヒトの活かし方においては、少し気をつけなければならないこともあります。
それは、組ませ方や掛け合わせ方を間違えると1+1や1×1が・・・0や-1やー5などにもなってしまうということもあるということです。
こう考えるとヒトは劇薬であるともいえるかもしれません。うまく活かせば大きな力となり、活かし方を間違えれば毒にもなると・・・。
だからこそ人を大切にし、活かしてジンザイを育てていく・・・このことが大切なのだと言えるのです。
さて、ここまで経営資源という観点からヒト=ジンザイが重要であるのはなぜか、ということを考えてきましたが、次にこのジンザイということについて、少し掘り下げてみたいと思います。
ジンザイには種類がある
ジンザイという言葉は、組織やビジネスにおいてよく使われる言葉ですが、このジンザイと言われた時に、皆さんはどのような漢字を書かれるでしょうか?
おそらく、人材と書かれる方が多いことでしょう。または、財産という意味を込めて人財と書く方もいらっしゃると思います。この人材(財)というのが一般的だと思いますが、実は、組織には3種類のジンザイが存在すると言われています。
そして、どのジンザイを増やしていくかで、その組織の活力や風土に大きな違いが出てくるため注意が必要なことなのです。
では、どのようなジンザイがいるのか、見ていきましょう。
まず1つめのジンザイですが
それは、「人材」です。先述したように、会社によっては、よりその意味を強めるため当て字をして「人財」とすることもあります。
で、その人材(財)ですが 、これについては、あまり多くを語る必要はないのではないかと思います。
先に検証したヒト・モノ・カネといわれる経営資源の重要な要素としての位置づけされる立場です。会社としては、このジンザイが一番必要であることは間違いないでしょう。
では、次のジンザイについてお話を進めていきましょう。
次のジンザイ、それは、「人在」です。
読んで字の如く「いる」「存在している」という意味です。
確かに組織にいるんだけれど・・・辛辣な表現をすれば「ただいるだけ…」
つまり、大きな戦力になっているとは言い切れないけれど、大きな問題にもならない、まあ、可もなく不可もなくといったジンザイのことです。
強いていえば、以前のコラム「職場における人材の活かし方」で書かせて頂いた「2:6:2の法則」の下の2といったところでしょうか。
おそらく、こうした「人在」もほとんどの組織に多少は存在していることと思います。そして、2:6:2の法則を借りれば、ある一定数はいてもらう必要があるジンザイだといえるでしょう。
※詳しくはコラム「職場における人材の活かし方」をご参照ください
さて、それでは、3つめのジンザイについてお話をしていきたいと思います。
最後3つめのジンザイですが、それは、「人罪」です。
この「人罪」の意味するところは、その人が組織にいることで組織やそこにいる人に悪影響を与えてしまうジンザイということです。
ネガティブな批判や文句を言う傍観者で非協力的、風見鶏のように誰かれ構わず同調し主体性がない・・・など、周りの士気を下げたり、不満や不信感を増殖させたり、生産性を下げるといったその人がいることが「罪」であるといえるようなジンザイのことです。
そして、多くの場合、その人は「誰かが言わないとならないので、おかしいことはおかしいと言っているんだ」とか「協調することが大切」とか「でしゃばらないことで、無用な軋轢を生まないようにしている」などと考えていたりして、自分が周りに悪影響を与えているとは、これっぽっちも思っていなかったりするのです。
なので、こうした「人罪」を組織で生まないよう、組織に入れないようにすることが重要だと言えるでしょう。
組織で「人罪」を生まないためには、管理職のマネジメント力向上とメンバーの人材(財)化が必要です。具体的には、これまで本ホームページのコラムで書かせて頂いてきたこと・・・「部下の話を聴く」「不祥事を生む言葉を言わない」「ハラスメントをしない、させない」「部下の良いことはきちんと褒める」「組織の矛盾、理不尽、不条理を受けとめる」「目的意識を持って仕事をする」などを、管理職がきちんと実践し、メンバー一人一人がコミュニケーション良く協力していく、こうしたことが大切であると言えるでしょう。
そして、そうした集団になれば、おのずと職場の活性化、良い組織風土の構築ができていることと思います。
ぜひ「人材(財)」を増やし「人罪」を生まない、こうした視点でも人材育成を進めていって頂ければと思います。
ヒューマシー人事労務研究所では、職場の活性化や組織風土作りのコンサルティングを通じ、「人罪」を生まない入れない、そして「人財」を創っていくお手伝いをさせて頂いております。ぜひお気軽にご相談ください。(お問合わせフォームへ)